◇10割る3だと割り切れない

◇知的遅れのある長男にとって、義務教育後の進学に、小学校中程度の学力があるかどうか、というのが大きなポイントなのですが、そんな長男に付き合っていたところ、次男の算数がレベルアップしていました。
◇ええ、ええ、わかってはいたのです、次男が算数大好きで、私も物理や素数の本を買って渡していたんです。小学校には、当時小学生だった私のSAN値を削った『分数計算』があるのはわかっていたのです。わかっていましたが、夫の人が物理の人だから、任せて安心だと思っていたのです。実際のところ、結婚してから分数の便利さを教えて貰って納得出来ましたからね、やはり、学んでいる時に質問に答えてくれる相手って大事ですよね。小学生の私の「分数ってどうしてあるの?」というぼんやりした質問に、当時の担任の先生は「算数でそうなっているから」というこれまたぼんやりとした答えが帰って来て、それまでに何となく抱いてた「算数は答えが一つしか無くてつまらない。国語は想像や感想や創作があって面白い。私は面白い事だけやりたい」というダメ人間的思考が強化されたのでした。今となって思うに、やはりだめだな、自分。
◇というか、割りたいじゃないですか、すっぱりさっぱりと。9割るさんだと割り切れるのに、10割る3だと割り切れないんですよ。一つ違っただけなのに、割り切れないのが割り切れないんです。という思考だったのです。夫の人に分数を習うまでは。
◇夫の人曰く、分数を使えば割り切れるでしょ?なのだそうです。割りたい数値を書いて、天井であり床である一本線を引いて、二階に割られたい数値を書けば、はい割れた、という事になるのです(という感じで理解しています)。確かに、今まで、整数で割れていなくても、まん丸ケーキは紐でくるっと巻いて等分出来ましたし、某アンナミラーズでバイトしていた時も、計算もせず疑わず、ホールパイを同じ大きに切る枠を使っていたのです。分数です、分数万歳。
◇そんな事を言う母に対して、次男はわかってよかったねと生温かい目で見て来ます。そして、更に小学生だった私のSAN値を削った日本地図と世界地図をぺらりと目の前に出してくるのです。しくしくしく。
◇変化する地図とかって、鬼ですよね。見た事も聞いた事も撫で回した事も無い土地の事なんかわかるわけないじゃ無いですか!悩んだ挙句イタリアのブーツの向きを間違えた事を笑わなくてもいいじゃないですか!謎って書き込んでもいいじゃないですか!知っていますよ、知っています、ムー大陸もレムリア大陸もアトランティスも今は無いんです、ほらあってるじゃないですか!
◇そんな母のおかげでアメリカの何とか州(その後オクラホマと判明)のフライパンの持つとこみたいな場所の名称(オクラホマパンハンドル)と何でそうなったか、夫の人も次男も知ることができたじゃないですか!
◇にしても、小学校レベルでこれだったのに中学高校の数学を一応終わらせた事になっている私って……。(再試験を何回も受けて諦められたという記憶ががが)
◇あ、好きな事は無駄に覚えましたから、国語は大丈夫です。次男の質問にも答えられます。難読漢字も結構読めます。読書量も多いです。いやっふー。