そんなに食べて大丈夫なのか

スーパーで食品を物色していた所、やたらと子供が野放しになっている事に気がついた。
普段良く行くのは、東急百貨店のマーケットコーナーで、ここだとタイムサービスで新鮮な魚などが手に入る。魚をさばく練習も兼ねて、お刺身に仕上げるのにちょうどいい。
今日行ったのは、別の用事があった為、あまり足を向けないイトーヨーカドだったのだけれど、東急では子供だけがうろうろする事があまりないのに、やたらとちょろちょろと歩いている。
通路が広めの店なのだが、こちとら妊婦であるからして、接触事故には気をつけなくてはいけない。もう妊娠七ヶ月なので、もしもぶつかられて流産などと言う事になり、状況的に相手方に非があるとなると、相手が過失致死という事になってしまう。
ので、お子様とお年寄りを回避しながら食品を物色。大好きな鮮魚コーナーでお刺身用鯵のトロ箱の中をのぞきこんでいると、その隣にある今日のお買い得「カツオのたたき」の試食コーナーに可愛らしいお嬢ちゃんが物凄い勢いでカツオのたたきを食べていた。年齢は4歳程度であろうか。爪楊枝に無理やり5切れほどのカツオのたたきをぶっ刺し、次々と口に運んでいく。今日のお昼を食べていないのだろうか。
かなりの量を食べた後、試食コーナーを離れるお嬢ちゃん。さすがにたくさん食べたからな、などと思いつつ、冷凍の貝をためつすがめつ見ていると、お嬢ちゃんが舞い戻ってきた。お兄ちゃんらしきお坊ちゃんを連れて・・・。
二人はお皿に山盛りあったカツオのたたきを完食した。あちきは自分が子供の頃、試食は買う人がするものだから、子供は勧められた時しか食べてはいけないとママンに言われていたし、勧められてもママンが買うとは決まっていないから、先ずはもらってもいい?とママンに聞けと言われていたので、こういうお子様を見るとどうも不思議な感じがする。第一、まともにご飯を食べさせてもらってないようではないか。
食べきった二人は顔を見合わせると、売り物のカツオのたたき1パック(300円)を手にとると、スキップをして消えていった。どうやら気に入ったらしい。
しかし、あちきが先に進み、精肉コーナーにさしかかると、件の兄妹が試食のベーコンにむさぼりついているのを発見してしまった。ちょうど品物補充の店員さんがやって来て「ごめんね、一人ひとつだけにしてね」と注意していたので、兄妹はそこを離れ、その足で焼肉の試食に・・・。
どうやら全ての試食に手を出しているらしい。焼肉を食べ尽くすと漬物コーナーへ移動してさらに食べている。のど、乾きませんか?
それにしても、育ち盛りの子供と言うのはそんなにお腹が減るのであろうか。最終的には店員さんに確保され、母親らしき人のところに連れて行かれていった。ので、あちきも間を開けてついて行った。いわゆる野次馬根性である。母親の人は店員さんに注意を受けていたが「食べるためにあるんだからいいじゃない。食べられて困るんならださなきゃいいのよ」と返していたので、凄いなあと思いつつそっとその場を離れた。

ところで、夫の人である雑文書きの人も試食は好きみたいで、買おうか検討するために口に入れるあちきと違って、一緒に買い物に行って試食を見つけると、出ているものは端から順に食べていくのだ。なので、これから生まれる予定の我が子はどっちの意見を取り入れるか、葛藤する羽目になるのかもしれない。はるか先の話であるけれども。