住宅地での絶叫

「殺される〜!」
平和な午後の住宅地に響き渡る、おれっちころさりる宣言。そしてその後の号泣。
「何言ってるの、早く車に乗りなさい、帰るわよ」
「まだ帰らないも〜!殺される〜!」
お隣に遊びに来ていたお子様が、帰りたくなくてごねているらしい。にしても、殺されるとは尋常ではない。帰宅すると本当に殺されると言うのであれば事件だが、今の彼にとっては、帰るという事は死に値するくらい、今が大切なのかもしれない。
別に本当に殺される訳ではないので、胎動による慢性寝不足のあちきの昼寝を邪魔しないで欲しいのだが、まあ、子供のやっている事なので気にしない事にする。
「待ちなさい!」
“じゃりじゃりじゃりじゃり”
どうやら我が家の敷地に潜入。小石を撒いてある家の周囲を走って逃走敢行しだしたようだ。
「お母さん、あたし捕まえてくる!」
“じゃりじゃりじゃりじゃり”
“じゃりじゃりじゃりじゃり”
「お兄ちゃん、帰ろうよ!」
「帰んない!」
何周するつもりだ、少年少女よ。

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隣のお宅はお友達が多いらしく、先日も
「今日は楽しかったわ〜」と言いながら5組の親子が出てきてびっくりした。
だって造りは違うものの、我が家と同じコンセプトで建てられた3LDKですぜ。母親6人、子供15人位が収容されていたとは・・・。

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ともあれ、僕は我が家の前で捕まったらしい。
車が走り去っていく音。
人が集まる家、それがお隣さんなのであろうか。我が家は滅多に人が来なくて暇です。
む〜ん。