お菓子の実物を見せるという事

◇ぽちぞうがリハビリセンターに通い始めてから、今までに大量の絵カードと呼ぶものを作りました。言葉での意思疎通が難しいので絵を描いてわかるようにするという物です。
◇通園では実物を見せて選ぶという事をしていました。毎日行っていたのは、おやつの選択です。その日のおやつを子供が選ぶのですが、発達の段階に合わせて選択時に見せる物が違います。
◇おやつは二種類から選びます。その見せ方が、
◎実物をお皿に入れて見せる
◎実物をビニールパックに入れて見せる
◎実物を入れたパックを付けた空のパッケージを見せる(これにより、パッケージと中身が紐付けされていく)
◎空のパッケージを見せる
で、欲しい物に勢いよく触ってしまう子はパック越しに見せる、発語のある子は指差しだけでなく「こっち」等の言葉を言わせる、といった方法を使っていました。
◇ぽちぞうは発語と意思表示がはっきりしていたのですが、時々「こっちこっち」と両方欲しがったりという事もありましたが、絶対一つしかもらえない事が続いた結果、食べられなかった方は帰宅後のおやつにするという方法で、通園のおやつの時間できちんと選択出来るようになりました(通園で使われるおやつを教えていただいてストックし、連絡帳で食べたがったおやつを教えていただくという対応)。
◇入園時実物から選んでいたぽちぞうも、段階を踏んで年少の終わり前には、パッケージで選べる様になりました。
自閉症のみんながそうという訳ではありませんが、私の知っている自閉症の子供達は
◎パッケージの写真が実物と同じとわからない
◎イメージイラストからイメージを読み取れない
◎写真と実物が違うと感じる(光の当たり具合等、少しでも違う物は違うと判断する)
◎パッケージの情報量が多すぎて、どこに注目すれば中身がわかるのかがわからない
といった様子でした。
◇健常者だって実際の物を見て、思っていたのと違うと感じる事がある訳で、ましてや自閉症の子供達は開けて現物を見て初めてそれがわかるのです。実際に見るという事が大切なのだなと思った体験でした。
◇現在、成長したぽちぞうはコマーシャルを見て、商品がわかるようになりました。以前は商品以外の情報が多すぎて、何のコマーシャルかきちんと理解出来ていなかったと。しかも、車はワープ出来るし、ジュースを飲むと空を飛べるし、チョコレートを食べたらダンスをしてしまう、などという勘違いもあった様で。楽しい勘違いではありますが、息子よ、それは無理だ。